従来の広告に比べ消費者へメッセージが伝わりやすいプロダクトプレイスメントは、商品マーケティングの一つとして近年注目を集め、市場規模が大きくなってきています。
この記事では、プロダクトプレイスメントとは何か、メリットや成功実例なども合わせて解説します。
プロダクトプレイスメントとは

プロダクトプレイスメントとは、自社商品・サービスをテレビや映画などのコンテンツのストーリー内に登場させる広告手法です。
通常の広告とは違いコンテンツの一部として商品・サービスを登場させるため、自然な形で認知度を高められます。また、コンテンツのストーリーや視聴者の嗜好と合った商品を登場させることで、ブランドメッセージが伝わり、ブランド認知度を高め購買意欲を引き出しやすくなるという特徴もあります。
プロダクトプレイスメントに使われるコンテンツ

- テレビ・映画:映画の中で登場人物が使用する、バラエティ番組のセット内に置かれるなど
- ミュージックビデオ:MV内で使用される
- ゲーム:ゲーム内で商品のグラフィックが登場する
- 漫画:漫画のストーリー内で描かれたり言及されたりする
プロダクトプレイスメントのメリット

広告としての抵抗感がない
プロダクトプレイスメントは商品をコンテンツ内に自然に組み込むマーケティング戦略のため、消費者が抵抗感を覚えることなくメッセージを受け取りやすいというメリットがあります。
また、コンテンツの一部として登場するためスキップされる心配がなく、視聴者に最後まで確実に接触させることができます。
コンテンツの好感度を利用できる
視聴者がコンテンツに抱く共感や憧れといったポジティブな感情は、登場する商品に結びつきます。ドラマや登場人物の認知度や好感度が向上するほど、商品の注目度やイメージも高まるでしょう。
また、人気コンテンツで自社商品が使われているというポイントはUSPとしても活用できるため、ブランド戦略としても有効です。
ターゲットに合わせて戦略展開できる
商品やサービスを自然に登場させられる文脈さえあれば、さまざまなコンテンツでプロダクトプレイスメントを行えるため、ターゲット層に合わせて効果的なコンテンツを選択できます。例えば、10代・20代の女性向けの商品であれば、SNSで投稿される縦型ショートドラマ内で使用してもらうなどが考えられます。
使用イメージを提示できる
ドラマや映画などのストーリーの中で商品やサービスを登場させることで、使用イメージや商品があるライフスタイルなどを自然に伝えられます。自社コンテンツや商品ページとは違った形で商品情報を提示できるため、マーケティングチャネルの一つとしての効果も期待できます。
さらに、「これぽち」など、プロダクトプレイスメントを行った商品を購入できるアプリなどを活用することで、使用イメージを見て購買意欲が高まった視聴者をそのまま購買に誘導することも可能になります。
プロダクトプレイスメントの日本での事例

アニメ映画「天気の子」
プロダクトプレイスメントの事例として有名なものに、日本アニメ映画「天気の子」があります。作品内では数多くのブランドが登場しています。以下はその一例です。
- まんが喫茶マンボー
- 日清「どん兵衛」
- TSUTAYA
- Softbank
- バイトル(アプリ)
また、作品公開後はタイアップで一部ブランドとテレビ広告やWeb広告を作成し、長期でのブランド認知度アップにも寄与しました。公開から時間がたった今でも、ファンによる関連場所訪問(聖地巡礼)が続き、期間限定の広告枠とは比較できないほどの長期効果があった成功例です。
TBSテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」
「逃げ恥」の通称で大人気であったTBSテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」は、主人公は日々家事をこなす設定のため、料理や家事シーン向けにミツカンや三菱電機などのブランドがプロダクトプレイスメントを採用しました。
また、日産ジュークやアート引越センターなど、日常シーンに自然に溶け込むブランドがプロダクトプレイスメントを採用しており、ドラマのストーリーとの関連性から違和感なく広告効果を発揮している実例です。
映画「魔女の宅急便」
スタジオジブリ映画の代表作である「魔女の宅急便」では、タイトル内のキーワード「宅急便」がヤマト運輸による登録商標である背景もあり、映画とのタイアップが決定しました。
この実例では、作品内に実際にヤマト運輸が登場する機会はないものの、トレードマークである黒猫が重要なキャラクターとして登場するなど、視聴者に意識させずにブランド認知を形成した事例です。
プロダクトプレイスメントを実践する際の注意点

規制・ガイドラインを理解する
日本では、景品表示法や消費者庁が示すステマ(ステルスマーケティング)に関連したガイドラインなど、広告表示のルールが明確化されています。これらへの違反行為は、行政指導や措置命令の対象となる可能性があり、企業イメージに悪影響をもたらしてしまいます。
媒体ごと(テレビ・映画・SNSなど)に求められる表示方法や業界ルールが異なる場合もあるため、プロダクトプレイスメントを実行する際は、最新の法規制やガイドラインを確認し、必要に応じて専門家や制作側と連携しながら進めることが大切です。
コンテンツの内容との関連性に注意する
プロダクトプレイスメントを設定する際、重要となるのが採用するコンテンツとの関連性です。自社商品・サービスとコンテンツの内容や世界観がかけ離れていると、視聴者に違和感や広告感を覚えさせてしまい、ネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。
単に人気のあるコンテンツや注目度の高いコンテンツを選ぶのではなく、商品やサービス、ターゲットとの関連性が高いコンテンツを選ぶようにしましょう。関連のあるコンテンツに登場させる場合も、ストーリーを遮るような不自然な露出の仕方にならないようにしましょう。
まとめ
プロダクトプレイスメントは、商品やサービスをコンテンツのストーリー内に自然に組み込むことで、高い認知効果を得られるマーケティング手法の一つです。
広告のようにスキップされず、デジタルコンテンツとの相性も良いため、近年需要が高まっています。
コンテンツの内容や世界観と調和した形で商品を登場させることで、ブランドイメージの向上や認知拡大が期待できます。一方で、関連法規・ガイドラインの遵守など注意すべき点もあります。
コンテンツの価値を損なわず、広告メッセージの透明性を保ったうえで活用することが、プロダクトプレイスメントを成功につなげるでしょう。
よくある質問
プロダクトプレイスメントとは?
プロダクトプレイスメントは、商品やサービスをコンテンツ内へ意図的に挿入しながら宣伝する手法です。商品がコンテンツの一部として登場することで、消費者から広告として認識されず、メッセージが届きやすい特徴を持っています。
プロダクトプレイスメントにかかる費用はどのくらい?
プロダクトプレイスメントの費用は対象となるコンテンツや規模によって異なりますが、数万円から依頼できることもあります。採用するコンテンツや、放映期間、有名人の起用など費用を上下するポイントは多くあるため、企画する時点で予算を決めてスタートするとよいでしょう。
プロダクトプレイスメントは日本国内でも活用されている?
プロダクトプレイスメントは日本でもさまざまなコンテンツタイプで活用されています。コンテンツのストーリーと関連性があるだけでなく、商品ターゲットとコンテンツ視聴者がマッチングしていることで成功につながった事例が多くあります。
文:鈴木 亜希子





